ツライ

こんな事、今回の震災がなければブログに書くこともないと思っていた。

15年ぐらい前になるけど、隣家からの火の不始末で、実家が半分消失した。
この時は、成田に1人暮らしをしていて、夜中の2時半の電話に親戚からの電話に起こされた。家が火事。とりあえず、なぜか冷静だった。マリンブーツを履いて夜中の道を1時間半ほど車を運転して実家に到着し、家の前で立ち尽くす。右半分が消失した家。消防車の放水により、床上浸水になるくらいの水。アルバムなんてものは燃えてなくなっちまった。幸い、両親と飼い犬のロッキーは無事だった。15年経った今でも夜中の電話は怖い。
翌日から、とりあえず、家の片づけを始める。ハイエナのマスコミが挨拶もせずに、勝手に家を撮影していく。ふざけた野郎。他人の家に土足で入るような輩だ。おまえらは、畳の上じゃ死ねないよ、きっと。おまえらには、日常茶飯事かもしれんけど、こっちの身にもなって考えてみりゃ、どんな気持ちだかわかるだろ。
友人が顔を出してくれた。何が欲しいと聞かれたので、米が欲しいといったら、米袋を抱えてやってきてくれた。うれしかった。
親戚のトラックを借りて、産業廃棄物場処理場に瓦礫をピストンで運ぶ。
夜は、燃え残った煤の臭いの残る部屋で両親と寝る。暗闇が怖い。闇が不安を駆り立てる。

親戚の親戚が工務店だったので、なんとか、うまい具合に燃え残った箇所と新しい部分を繋ぎ合わせてくれて両親が安心して暮らせるようになったのは、火災から三ヶ月もたってからだろうか。

今のテレビの映像を見ると、この頃の自分がリンクしてしまってツライ。